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2023年08月08日

北とぴあ国際音楽祭2022 リュリ作曲 オペラ《アルミード》が第21回佐川吉男音楽賞受賞。

2022年12月9日・11日に北とぴあ さくらホールにて開催いたしました「北とぴあ国際音楽祭2022 リュリ作曲 オペラ《アルミード》」公演が「第21回佐川吉男音楽賞」を受賞いたしました。当財団が同賞を受賞するのは2007年の「モンテヴェルディ作曲 歌劇《オルフェーオ》」公演以来2度目です。
本公演の制作に携わってくださいました出演者・スタッフの皆様、ご支援賜りました皆様、ご来場賜りました皆様に厚く御礼申し上げます。

【佐川吉男音楽賞】
音楽評論家として長年活動され、特にオペラ活動の評論活動を通しその振興発展に尽力された故・佐川吉男先生の業績を関係者の心に留めるとともに、生前先生が特に専門とされてきたオペラやチェコ、スロバキア関係の音楽活動の振興を主な目的に、同夫人によって平成15年に設立された音楽賞です。中小オペラ団体が主催する公演で、特に優れた成果をあげたもののほか、選考委員が賞に値すると認めたものに対して贈られます。

【贈賞理由】
東京都の北区文化振興財団の秋の風物詩ともなった北とぴあで繰り広げられる寺神戸亮率いるオリジナル楽器の演奏団体レ・ボレアードによるバロック・オペラ、今回はフランス・オペラの大作曲家リュリの「アルミード」。舞踏を伴うフランス独自の形態の作品を、限られた空間と予算のなかで魅力的に作り上げたその創意力と手腕が、日本ではまだ実演に接する機会の少ないリュリの魅力を存分に開示してみせた。華麗な作品であるだけに、装置や演出の予算に制約があるのは本来マイナスの要素ともなるのだろうが、寺神戸亮とレ・ボレアードは、「この音楽こそがドラマの中心である」と主張するかの如く、雄弁な音楽を響かせた。北区文化振興財団のこの一連の公演の中にあっても、今回の「アルミード」の演奏内容の充実は傑出した物となっていた。作品の力もあるのだろうが、彼らの演奏の毎年の積み重ねから生まれる経験値が、この成果を生んだのであろう。彼らを讃えるとともに、それを支え育んだ北区文化振興財団の姿勢にも改めて拍手を贈りたい。
(佐川吉男音楽賞実行委員会)