寺神戸 亮Ryo Terakado(指揮/バロック・ヴァイオリン)
1961年ボリビア生まれ。4歳でヴァイオリンを始める。ヴァイオリンを久保田良作、室内楽を三善晃、安田謙一郎等の各氏に師事。桐朋学園大学在学中の1983年に日本音楽コンクール第3位入賞、1984年同大学を首席で卒業すると同時に、東京フィルハーモニー交響楽団にコンサートマスターとして入団(当時、最年少)。その後、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学、シギスヴァルト・クイケンのもとバロック・ヴァイオリンの研鑽を積んだ。同院在学中から演奏活動を始めると、直ちにその才能は広く認められるところとなり、レザール・フロリサン(フランス)、シャペル・ロワイヤル(フランス)、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント(ベルギー)、ラ・プティット・バンド(ベルギー)などヨーロッパを代表する古楽アンサンブルやオーケストラのコンサートマスターを歴任、さらに日本のバッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートマスターとしても活躍している。
また、アンサンブル奏者、リーダーとして優れた資質を発揮するほか、ソリストとしても数多くのオーケストラと協奏曲を共演している。2006年からは近年復元されたヴィオロンチェロ・ダ・スパッラを用いた演奏活動も精力的に行っており、同楽器で録音したバッハの無伴奏チェロ組曲は、レコード・アカデミー(器楽部門)を受賞した。
1995年、第1回北とぴあ国際音楽祭にてパーセルの《ダイドーとエネアス》を指揮し、指揮者デビュー。以後、同音楽祭(記念事業)ではラモー《エベの祭典》《イポリートとアリシ》やモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》など、フランス・バロックとモーツァルトの作品を中心に指揮し、日本で最もバロック・オペラに精通した貴重な存在として注目を集めている。また演奏活動の傍ら、世界中のコンクールや音楽祭等に招かれ、後進の指導にもあたっている。
2015年度、第45回東燃ゼネラル音楽賞(洋楽部門本賞)受賞。デン・ハーグ王立音楽院教授。桐朋学園大学音楽学部特任教授。ブリュッセル王立音楽院、延世(ヨンセイ)大学でも客員教授を務める。ベルギー、ブリュッセル在住。
レ・ボレアードLes Boréades
北とぴあ国際音楽祭から生まれた古楽オーケストラ・合唱。
1995年、第1回北とぴあ国際音楽祭でパーセルのオペラ《ダイドーとエネアス》を上演した際に集まったオーケストラと合唱が大成功を収め、一度きりでの解散を惜しむ声があがったのに応え、第3回北とぴあ国際音楽祭より「レ・ボレアード」の名称で本格的に活動を開始。指揮の寺神戸亮を筆頭に古楽のスペシャリストが集結、特にフランス・バロックやモーツァルトの演奏に定評がある。
レ・ボレアードとは、ギリシア神話に登場する北風の神々で、北区から文化の風を吹き起こそうというメッセージがこめられている。さらにラモー最後のオペラのタイトルでもある。
寺神戸亮&レ・ボレアード
北とぴあ国際音楽祭における
公演記録
1995年 |
第1回北とぴあ国際音楽祭 パーセル オペラ《ダイドーとエネアス》 「音楽の友」のコンサート・ベストテン上位。 |
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1996年 |
第2回北とぴあ国際音楽祭 ラモー アクト・ド・バレ《ピグマリオン》 バロック・バレエの第一人者ナタリー・ヴァン・パリスの振付によるバレエ付きの本格的な公演。 「音楽の友」のコンサート・ベストテン上位。 |
1997年 |
第3回北とぴあ国際音楽祭 オープニング・コンサート(モーツァルト・プログラム) 寺神戸亮指揮「レ・ボレアード」としてデビュー。 |
1998年 |
第4回北とぴあ国際音楽祭 ルベル《四大元素》 ナタリー・ヴァン・パリスの振付・舞踊付き公演。 |
2000年 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業 ラモー オペラ・バレエ《エベの祭典》 本邦初演 ナタリー・ヴァン・パリスのバロックダンスとともにラモーの傑作を華麗な舞台で上演。 |
2001年 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業 ラモー オペラ《レ・ボレアード》 『フランス室内楽とカンタータの夕べ』 団の名前の由来となったラモー最後の傑作《レ・ボレアード》を演奏。 |
2002年 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業 『モーツァルティッシモ!!』 モーツァルトがウィーンの寵児となるきっかけを作ったブルク劇場でのコンサート・プログラムを再現。 CD『モーツァルティッシモ!!』(ライヴ録音)[発売元:コジマ録音] |
2003年 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業 ラモー オペラ《イポリートとアリシ》 フランス・バロック・オペラの巨匠ラモーのオペラ処女作を本邦初演。 |
2004年 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業 モーツァルト オペラ《イドメネオ》 CD《イドメネオ》(ライヴ録音)[発売元:コジマ録音] |
2005年 |
北とぴあ国際音楽祭記念事業 『モーツァルト&ヴィヴァルディ』 モーツァルト最晩年の傑作『レクイエム』プログラムとヴィヴァルディ『四季』を中心としたプログラムの2公演。 |
2006年 |
北とぴあ国際音楽祭2006 ハイドン オペラ《月の世界》 実相寺昭雄と三浦安浩の演出による本格原語上演。 |
2007年 |
北とぴあ国際音楽祭2007 モンテヴェルディ オペラ《オルフェーオ》 観世流シテ方能楽師・野村四郎と能プロデューサー・笠井賢一による能の様式を採り入れた演出と、モンテヴェルディが指定した楽器をほぼ取り揃えた楽器編成で話題を呼んだ。初演400年記念の年の上演。 第6回佐川吉男音楽賞受賞公演。 |
2008年 |
北とぴあ国際音楽祭2008 ハイドン オペラ《騎士オルランド》 ハイドンの英雄喜劇を粟國淳の演出で本邦初演。 |
2009年 |
北とぴあ国際音楽祭2009 グルック作曲 オペラ・コミック《思いがけないめぐり会い、またはメッカの巡礼》 18世紀フランスの人気オペラ・コミックを飯塚励生の演出で本邦初演。 |
2011年 |
北とぴあ国際音楽祭2011 モーツァルト作曲 歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》(演奏会形式) 有松陽子製作のオリジナル衣装で上演。 |
2012年 |
北とぴあ国際音楽祭2012 音楽付きコメディ《病は気から》 作曲: M.-A.シャルパンティエ 台本:モリエール(セミ・ステージ形式) 潤色:ノゾエ征爾 ステージング:宮城 聰 SPAC-静岡県舞台芸術センターの協力により演劇と音楽を融合したコメディ・バレを上演。 第10回三菱UFJ信託音楽賞奨励賞受賞公演。 |
2013年 |
北とぴあ国際音楽祭2013 モーツァルト作曲 歌劇《フィガロの結婚》(セミ・ステージ形式) モーツァルトの名作をオリジナル楽器で全編上演。 |
2014年 |
北とぴあ国際音楽祭2014 ラモー作曲 歌劇《プラテ》(セミ・ステージ形式) フランス・バロック音楽の巨匠ラモーの没後250年を記念してラモーの傑作喜劇を上演。 |
2015年 |
北とぴあ国際音楽祭2015 パーセル作曲 オペラ《妖精の女王》(セミ・ステージ形式) 演出:宮城 聰 出演:SPAC-静岡県舞台芸術センター 静岡県舞台芸術センターの協力で、シェイクスピアの『夏の夜の夢』を原作とした《妖精の女王》を本 格的な芝居とともに上演。バロック声楽界の女王エマ・カークビーもソリストとして出演。 |
2016年 |
北とぴあ国際音楽祭2016 モーツァルト作曲 オペラ《ドン・ジョヴァンニ》(セミ・ステージ形式) 演出:佐藤 美晴 寺神戸亮&レ・ボレアードによるダ・ポンテ三部作完結編。 第14回三菱UFJ信託音楽賞奨励賞受賞公演。 |
2017年 |
北とぴあ国際音楽祭2017 グルック作曲 オペラ《オルフェオとエウリディーチェ》(セミ・ステージ形式) 振付:中原 麻里 ダンサー:ラ ダンス コントラステ 1774年パリ初演版での上演。 |
2018年 |
北とぴあ国際音楽祭2018 モンテヴェルディ作曲 オペラ《ウリッセの帰還》(セミ・ステージ形式) 演出:小野寺 修二 演劇界の鬼才、小野寺修二がオペラ初演出。 |
2019年 |
北とぴあ国際音楽祭2019 ヘンデル作曲 オペラ《リナルド》(セミ・ステージ形式) 演出:佐藤 美晴 寺神戸亮&レ・ボレアードによる初のヘンデル・オペラ上演。 第17回三菱UFJ信託音楽賞奨励賞受賞公演。 |
2020年 |
北とぴあ国際音楽祭2020 「フランス・バロック・オペラの栄華」(演奏会) バロックダンス:松本更紗 ナビゲーター:朝岡 聡 リュリのオペラの名場面などを抽出し、フランス・バロック・オペラの楽しみ方を紹介。 |
2021年 |
北とぴあ国際音楽祭2021 ラモー作曲 アクト・ド・バレ《アナクレオン》(演奏会形式) 演出・振付・バロックダンス:ピエール=フランソワ・ドレ 振付・バロックダンス:松本更紗 プログラム前半はフランス・バロック時代の音楽をバロックダンスやパントマイムとともに紹介。 後半はラモーの《アナクレオン》を演奏会形式ながら、バロックダンスをふんだんに取り入れた演出も付けて上演。 |
2022年 |
北とぴあ国際音楽祭2022 リュリ作曲 オペラ《アルミード》(セミ・ステージ形式) 演出:ロマナ・アニエル 振付・バロックダンス:ピエール=フランソワ・ドレ フランス・バロック・オペラの最高峰を日本で初めて全編本格上演。 第21回佐川吉男音楽賞受賞公演。 |
2023年 |
北とぴあ国際音楽祭2023 ラモー作曲 オペラ《レ・ボレアード》(セミ・ステージ形式) 演出:ロマナ・アニエル 振付・バロックダンス:ピエール=フランソワ・ドレ 楽団名の由来となったラモー最後のオペラを日本で初めて全編上演。 |